人間の行動に一度でも「なぜ?」。
結論とかんたんな要約:『行動経済学が最強の学問である』
『行動経済学が最強の学問である』:本書のポイント3つ
人間って非合理的な生きものです。
その非合理的な意思決定をしてしまうメカニズムは3つあります。
それがコチラです。
・認知のクセ
・状況
・感情
それでは解説していきます。
・認知のクセ
認知のクセとは脳の情報の処理の仕方です。
インプットした情報をどう処理するか?ということです。
・状況
人間は環境に左右されて意思決定しています。
また、状況に影響されて行動しています。
・感情
私たちはつい感情によって、
最善の結果が出せなくなったり、人間関係を壊してしまうといった非合理な結果を生み出してしまいます。
というわけで、人間が非合理な意思決定をしてしまう「認知のクセ」「状況」「感情」という3つの要因でした~
認知のクセ、状況、感情が複雑に絡み合っている
認知のクセ、状況、感情。
実際はこの3つが複雑に絡み合っているケースがほとんどです。
例えば、深い悲しみや激しい怒りに駆られていたら「感情」が一番大きく影響します。
新型コロナウイルスのパンデミックのような極限状況であれば、「状況」の影響が最大化します。
忙しくて疲れて睡眠も食事も十分にできないときは、「認知のクセ」が影響するでしょう。
行動経済学のリアル(オバマ、ネトフリ、スタバ)
ここで身近な行動経済学をご紹介します。
オバマ大統領の再選と行動経済学
2012年、「オバマ再選」のときの話です。
行動経済学を使って、票を集める作戦でした。
選挙のカギを握るのは「浮動票」です。
浮動票とは、「オバマに投票したいけど、選挙には行かないかも…」ってやつです。
この、選挙に行くか行かないかの微妙な人たちの票をいかに集めるかで命運が決まります。
行動経済学チームはまず、データサイエンスを使って「微妙な人たち」が多く住むエリアを特定します。
そのうえで、その人たちの「なんとなく行かない原因」を取り除く戦略を取りました。
その戦略はいたってシンプル!
「微妙な人たち」に以下の3つの質問をしました。
・選挙の日、何時に投票しますか?(時間)
・その日はどこから投票所に行きますか?(場所)
・直前にはどんな予定がありますか?(直前の予定)
ポイントはこの3つの質問を「ただ聞くだけだった」ということです。
ただ聞いて、「微妙な人たち」の頭の中に「当日の投票に行くまでの過程」を描かせてあげる。
このシンプルな働きかけで、相手の中の「なんとなく行かない原因」が取り除かれたのです。
結果、この戦略が浮動票の獲得につながりオバマは再選しました。
ネットフリックスで、「第2話」が自動再生されるワケ
ネットフリックスで「第2話」が自動再生されるワケは、
「現状維持バイアス」という行動経済学の理論が働いているからです。
現状維持バイアスとは「今の状態を続けたい」という習性です。
なので、第1話を終えても視聴を続けます。
やがて「1話が終わったら自動的に2話が始まってそのまま見るのが当たり前だよ」という状態になり、延々とアプリを使い続けます。
これが、ネットフリックスで「第2話」が自動再生されるワケです。
TikTokもまさにこれですね。
スタバのポイント制度、”スター”に隠れた「目標勾配効果」
スターバックスのアプリは、行動経済学を徹底的に活用して作られているようです。
なかでも「スター」というポイント制度です。
最終的には「ゴールドスター」となり、顧客に優越感をもたらします。
これが行動経済学で言う「ポジティブ・アフェクト(ポジティブな淡い感情)」という理論を利用した戦略です。
具体的に「スター制度」では、アプリで「残り4日!」と期間限定ボーナスがもらえる期間がメッセージで送られてきたり、「ゴールドスターまであと〇〇スター」とゴールまであとどれくらいかを示されたりします。
これが、ゴールが近づくほど意欲が増す「目標勾配効果」の応用です。
「あとちょっと」なんて言われると頑張ってしまいますね!
書籍情報:『行動経済学が最強の学問である』
目次のご紹介と読者レビューに勝手にコメントするコーナーです!
目次の紹介
目次の紹介です。
■プロローグ いま世界のビジネスエリートがこぞって学ぶのが「行動経済学」
■序 章 本書といわゆる「行動経済学入門」の違い
■第1章 認知のクセ――脳の「認知のクセ」が人の意思決定に影響する
■第2章 状況――置かれた「状況」が人の意思決定に影響する
■第3章 感情――その時の「感情」が人の意思決定に影響する
■エピローグ あなたの「日常を取り巻く」行動経済学
読書レビューx3件
読者レビューに勝手にコメントするコーナーです笑
3つご紹介!
経済学というので少し警戒してしまったが、内容はとてもわかりやすく読みやすい。
自分の行動を当てはめて考えたり、仕事で直面したあるシーンを分析的に捉えたりできて面白いと感じた。
また人の奥深さみたいなものを改めて知るきっかけにもなった気がする。
出典:Amazonレビュー
初学者にも、とても読みやすい本です。
様々な理論を、具体例を交えて紹介してくれるので理解しやすく、とても勉強になりました。出典:楽天ブックス
途中途中の質問で尽く反対を選択、汗。センスないのかも…(笑)お客さまも上司も同僚も家族も社外の様々な関係者も全てすべて‘人間’でありヒト。
人の行動傾向を知ることは生きるすべとも言え、興味深い!!出典:honto
まとめ:【要約/書評】『行動経済学が最強の学問である』著:相良奈美香
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